人には聞きづらい“女子の保健室的なお悩み”に、お医者さんにしっかり取材をして信用できるアドバイスをもらおう!という企画『ViVi保健室』! スギ花粉のピークは越えたはずなのに、「まだまだ花粉症が続いている」or「最近、急にひどくなってきた」という人は、ヒノキによる花粉症かも。なんせ今年は最近5年間でヒノキ花粉の飛散量がもっとも多いというデータもあるだけに、どうにかしたいところ。そこで、気になる花粉症のレーザー治療について、お答えします!
Q.鼻で呼吸するのを忘れそうなくらい、花粉症で鼻が詰まってます。そんな私を見かねた母が「レーザー治療でもすれば?」と。でも、レーザーで鼻を焼くって痛そうなんですが……。
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A-1:花粉症の治療は、”重症度”で決まります!
A-2:レーザーは鼻づまりが重症な人向けの治療
A-3:痛みはアリ。ただし一度すると2年ほど効果が続く!
A-4:ただし、花粉症まっただ中の今はオススメできません!!
A-5:スギ花粉の免疫療法は3~5年かかるけど根本的に治る可能性も!
A-1:花粉症の治療は、”重症度”で決まります!
まず、耳鼻科やアレルギー科では、定められたガイドラインに従って、花粉症の方の重症度を判定します。そのうえで、大きく分けて①アレルゲンの除去と回避、②薬物療法、③アレルゲン免疫療法、④手術療法という4つの治療法から最適なものを選択します。
一般的なのは①と②ですが、②の薬物療法では「全然、効かない」という声も。その場合も、それまでどんな薬を飲んできたかなどの記録(→薬の名前など市販薬でも記録しておくことをおすすめします!)を参考に、今まで効かなかった薬とは別の系統の薬を試すことで改善する場合も多々。
とくに最近は、新しいアレルギー性鼻炎治療薬が相次いで発売されており、それぞれの特徴によって使い分けることで高い効果を期待することもできます。
また、たとえば「空腹時に飲まないと効果を発揮しない」というタイプの薬もあるため、内服法を正しく守るだけでラクになるという場合も。なので、ぜひ専門医に相談してみてくださいね。
A-2:レーザーは鼻づまりが重症な人向けの治療
さて、今回のご相談、レーザー治療ですが、これは④の手術療法のひとつ。重症度の高い患者さんに適用される手術です。
鼻づまりがひどい方におすすめで、アレルギーが発生している鼻の粘膜をレーザーで焼き固めることで、アレルギーで腫れ上がって鼻の中の空間を埋め尽くしていた粘膜を縮小させ、空気の通り道を確保! さらに粘膜を硬くするため、外から侵入してくる花粉が付着しづらくなる効果もあります。
A-3:痛みはアリ。ただし一度すると2年ほど効果が続く!
手術そのものにかかる時間は数分程度で1回で済みますが、局所麻酔で手術を行うため、痛みを感じる場合もあり。
費用は、約1万円程度(保険適用で、3割負担の場合。別途処方料や検査代がかかります)。
一度すれば、効果は永遠…というわけにはいきませんが、一般的には2年程度持続します。
A-4:ただし、花粉症まっただ中の今はオススメできません!!
ひどい鼻づまりの方向けの治療ではありますが、花粉症の症状が出てから行うと、麻酔や手術による炎症反応により、症状が悪化してしまうケースも。そのため、花粉が飛散する前に治療を終えることをすすめています。
今年はもうすでに花粉の飛散が始まってしまっているので、来年に向けて備えてくださいね。
A-5:スギ花粉の免疫療法は3~5年かかるけど根本的に治る可能性も!
ちなみに③のアレルギー免疫療法として代表的なのが、舌下免疫療法です。
シダトレンというスギ花粉症に対する薬剤を、3~5年の間、毎日、舌の下に投与し続けることで、70%程度の割合で根本的な体質改善が叶うとされています。
1ヵ月1300円程度(保険適用下。3割負担で院内処方、維持期の場合)で、自宅でのセルフ治療とはいえ毎日投与する必要があり、花粉症以外の時期でも定期的に通院しなくてはならないので、ハードルが高めなのも事実です。
また、この治療法も花粉症の時期にはできないので、注意が必要です。いずれにしろ、花粉症の専門医に相談してみるのがいちばんです!
先生からのアドバイス
レーザーは痛みはあるけど、鼻づまりの解消に効果的。花粉症の症状が出ていない季節を狙って専門医に相談を。
私も花粉症ひどくて1日にティッシュ1箱使い切るワ! 嘘! 本当は半箱ぐらい
illustration/Pantovisco